三大バレエとは何かご存知でしょうか。
三大バレエは昔から人気の定番演目で、たくさんの公演が行われています。
バレエは演目のストーリーを知っていると、よりいっそう楽しめます。
三大バレエのストーリーや見どころについて解説していきましょう。
Contents
三大バレエとは
三大バレエとは、チャイコフスキー作曲の「眠れる森の美女」「くるみ割り人形」「白鳥の湖」の演目のことです。
バレエの人気演目で名場面をハイライトだけ演じるガラ公演も多くあります。
定番の演目なので、バレエ鑑賞初心者に特におすすめです。
チャイコフスキー三大バレエ①白鳥の湖
まずは有名な「白鳥の湖」について解説します。
「白鳥の湖」は1876年に完成しており、初演は1877年です。
チャイコフスキーがはじめて作曲したバレエ音楽ですが、初演当時は評価が低かったと伝えられています。
白鳥の湖のストーリー
白鳥の湖のストーリーは振付家や版によって大きく異なります。
序奏
オデット姫が悪魔によって白鳥の姿に替えられるシーンからスタートします。
第1幕
舞台は王宮の前庭。
ジークフリート王子の誕生日で友人が集まり、踊りなどを楽しんでいる中に、ジークフリート王子の母が現れました。
ジークフリート王子の母は明日の王宮の舞踏会で結婚相手を選ぶように伝えますが、ジークフリート王子は結婚したくありません。
舞踏会の後、ジークフリート王子は友人たちと白鳥が住む湖へ狩りに出かけます。
第2幕
舞台は白鳥の住む湖にうつります。
湖にいる白鳥は次々に娘たちの姿に変わっていきました。
ジークフリート王子はその中のオデット姫に一目ぼれします。
オデット姫は夜だけ人間の姿に戻れるのだそうです。
ジークフリート王子はオデット姫の悪魔の呪いを解く方法は、まだ誰も愛したことのない男性に愛を誓ってもらうことであることを知りました。
ジークフリート王子はオデット姫に明日の舞踏会に来るように伝える。
第3幕
舞台は王宮の舞踏会です。
王宮の舞踏会には悪魔の娘オディールが現われました。オディールは魔法を使ってオデット姫に似せた風貌に変身しました。
ジークフリート王子は舞踏会でオデット姫と間違えて、悪魔の娘オディールを花嫁として選んでしまいます。
オデット姫はその様子を見ていて、王子が嘘をついていたと思い、走り去ってしまいました。
ジークフリート王子も悪魔に騙されたことに気づき、オデットを追いかけます。
第4幕
舞台はジークフリート王子とオデット姫が出会った湖に戻ります。
オデット姫にジークフリート王子は謝りました。
しかし、そこに悪魔が登場し、激しい戦いになってしまいます。
王子は何とか悪魔を打ち破るが、呪いが解けることはありませんでした。
結局、ジークフリート王子とオデット姫は身投げし、来世で結ばれたのです。
※オデットの呪いが解けてハッピーエンドで終わる演出も存在します。
以上が「白鳥の湖」のストーリーです。
見どころは第2幕のオデット姫とジークフリート王子との出会いのシーンが白鳥の湖を象徴する場面でしょう。
オデット姫の白鳥と、悪魔オディールの黒鳥を一人二役で踊り分けます。
黒鳥オディールのフェテ32回転も見どころです。
チャイコフスキー三大バレエ②眠れる森の美女
チャイコフスキーの三大バレエの二作目である「眠れる森の美女」をご紹介します。
「眠れる森の美女」は、チャイコフスキーが「白鳥の湖」の次に手がけたバレエ音楽であり、初演は1890年です。
眠れる森の美女のストーリー
版によって設定などは微妙に異なりますが、基本的なストーリーをご紹介します。
プロローグ
舞台はオーロラ姫の誕生に伴う洗礼の式典です。
妖精たちが集まり、オーロラ姫に授け物をしています。
そこに自分が先例に呼ばれなかったことに怒った、邪悪な妖精カラボスが現れました。
邪悪な妖精カラボスは「オーロラ姫は20回目の誕生日に指を刺して死ぬ」と呪いをかけたのです。
善の精・リラの精はカラボスの呪いを解こうとするが、完全に取り払うことはできません。
そこで、リラの精は「姫は指を刺すが、死なずに眠る。100年間の眠りの後に王子様が現れ、彼の口づけで目を覚ます」と告げました。
第1幕
舞台はオーロラ姫の20歳の誕生日に移ります。
国王はオーロラ姫の祝宴を始めました。
オーロラ姫の祝宴の中で、オーロラ姫は何者かから紡錘を贈られます。
※紡錘とは糸をつむぐための細い棒のこと
オーロラ姫は紡錘を持ったまま踊り、誤って指を刺してしまいました。
紡錘を贈ったのはカラボスだったが、リラの精が現れます。
リラの精は、オーロラ姫は死ぬのではなく眠りにつくと再度告げました。
オーロラ姫が目覚めた時に一緒に目を覚ませるように、リラの精は城にいた全員に眠りの魔法をかけたのでした。
第2幕
舞台はオーロラ姫が眠った100年後。
狩りを行っていたデジレ王子に、リラの精がオーロラ姫の幻を見せました。
デジレ王子はオーロラ姫の幻で、あまりの美しさに一目ぼれします。
デジレ王子はリラの精に頼み込み、城に連れて行ってもらい、オーロラ姫に会いに行きました。
100年経った城の中から眠っている姫を見つけ出し、デジレ王子が口づけをすると、オーロラ姫は目を覚ましました。
オーロラ姫が目を覚ましたと同時に、城の者も全員目を覚まします。
デジレ王子はオーロラ姫に結婚を申し込みました。
第3幕
舞台はデジレ王子とオーロラ姫の婚礼の日。
さまざまな妖精が結婚を祝福しています。そこにはリラの精はもちろん、カラボスもいました。
2人の婚礼を祝い、華麗な踊りが次々と披露され、フィナーレを迎えます。
以上が「眠れる森の美女」のストーリーです。
見どころは美しいオーロラ姫の結婚シーンはもちろん、オーロラ姫が目覚めるロマンティックなシーンもハイライトと言えるでしょう。。
チャイコフスキー三大バレエ③くるみ割り人形
「くるみ割り人形」は1892年に初演の演目で、初演が大成功と呼べるものではなかったため、定番となる演出や振付が存在しません。
現在でも新演出や新振付が生まれている珍しい作品です。
くるみ割り人形のストーリー
「くるみ割り人形」は小さな子どもが見ても飽きない楽しい構成が魅力。
第1幕
王子が誕生したシーンから始まります。
王子が誕生した際、そばにいた人間がネズミの女王を踏み殺したことが原因で、王子は呪われてしまいます。
呪われた王子はくるみ割り人形に変身してしまいました。
−第1場−
舞台はクリスマスイブの夜。
ドイツのシュタールバウム家ではパーティーが行われていました。
少女クララはドロッセルマイヤー老人からクリスマスプレゼントにくるみ割り人形をもらいます。
少女クララがもらったくるみ割り人形は弟のフリッツが壊してしまい、ドロッセルマイヤー老人が修理しました。
パーティーが終わり、夜中に少女クララは人形のくるみ割り人形の様子を見に行きます。
時計の針が12時を打ったとき、突如クララの体は人形ほどの大きさになってしまいました。
そこにはつかねずみの王様が指揮する、はつかねずみの大群が押し寄せてきます。
くるみ割り人形の指揮する兵隊人形たちが、はつかねずみ達に対抗しますが、最後はくるみ割り人形とはつかねずみの王様の一騎討ちとなりました。
くるみ割り人形がピンチになったところ、少女クララがスリッパをはつかねずみの王様に投げつけ、ピンチを脱します。
倒れたくるみ割り人は凛々しい王子に姿を変えていました。王子は少女クララをお礼に雪の国とお菓子の国に招待し、2人は旅立っていきました。
−第2場−
雪が舞う松林に王子と少女クララがいるシーンに移ります。
第2幕
お菓子の国の魔法の城に到着した王子と少女クララ。
お菓子の精たちによる歓迎の宴が始まりました。
そのままフィナーレを迎えるのですが、劇末はクララがクリスマスツリーの足下で夢から起きる演出と、そのままお菓子の国にて終わる演出があります。
以上が「くるみ割り人形」のストーリーです。
見どころは第2幕です。くるみ割り人形が美しい王子の姿となり、クララを人形の国へ招待するシーンはロマンティックですね。
三大バレエを劇場に観に行こう!
三大バレエの演目は人気があり、公演が多いのが特徴です。
バレエの基本とも言える演目なので、初心者におすすめできます。
この記事でストーリーの大筋を知ってから見ると、さらに鑑賞を楽しめるはず。
この記事を読んだ方はぜひ劇場に行って、本物のバレエを体感してみてください。