バレエの歴史と起源とは?ロマンティック・バレエの誕生からモダン・バレエの魅力まで解説

バレエは誕生以来、長い間人々を感動させてきました。そんなバレエのルーツや歴史はご存知でしょうか?

この記事では、16世紀から続く長いバレエの歴史をひも解いてみました。

バレエの歴史を知ることで、よりいっそうバレエの魅力を感じられ、楽しめるようになるはずです。

バレエの歴史①ルーツはイタリア

バレエのルーツはルネッサンス期のイタリアです。

ルネッサンス期のイタリアでは、宮廷の広間で貴族たちが歩きながら床に図形を描いていく「バロ」というダンスがありました。

その後、16世紀にイタリアで世俗合唱曲(宗教的な色がない合唱曲)が流行すると、世俗合唱曲に踊りを加えた「バレット」と呼ばれるダンスが生まれました。

この「バレット」はやがて「バレッティ」と呼ばれるようになり、広まっていきました。

バレエの歴史②誕生はフランス

イタリアで広まった「バレッティ」はその後、フランスに持ちだされました。その時から「バレ」と呼ばれるようになったのです。

「バレ」は貴族たちの宴や、婚礼の日の余興などで披露されていました。当時は踊りだけでなく、セリフもあるミュージカルのようなものだったようです。

1581年に発表された「王妃のバレエ・コミック」が記録が残っている中では最古のバレエ作品となります。

その後、16世紀末からのおよそ20年間ほどで、約800作品ものバレエ作品が上演されました。バレエは宮廷で頻繁に踊られるようになったのです。

やがて、バレエは専門の劇場がつくられるようになり、宮廷ではなく劇場のものへとなっていきました。

1671年、フランスのパリに「オペラ座」が設立し、劇場では女性ダンサーが人気を博すようになり、有名な女性ダンサーが数多く生まれました。

男性ダンサーが中心だった宮廷バレエとは対照的な発展です。

その後、1713年にはオペラ座にバレエ学校が創設され、バレエ教育が進み、技巧はみるみるうちに発展していきました。

バレエの歴史③ロマンティック・バレエの誕生と衰退

フランスのパリに設立した「オペラ座」を中心に「ロマンティック・バレエ」が確立していきました。

フランスでは神秘的かつ自由なものを尊重する「ロマン主義」が浸透し、バレエも大きな影響を受けていたのです。

「ラ・シルフィード」「ジゼル」に見られるような、妖精や悪魔が登場するファンタジー的なものや、エキゾチックな異国情緒漂う作品が多く見られるのが特徴です。

ロマンティック・バレエの発展に合わせ、長く透き通った美しい衣装「ロマンティック・チュチュ」やつま先立ちになったまま踊る「ポワント」や、トゥシューズが生まれました。

現代にも通じるバレエのイメージは、この時期に徐々に醸成されており、ロマンティック・バレエは現代でも踊られているバレエの中でもっとも古いものです。

しかし、ロマンティック・バレエはロマン主義の衰退と、フランスバレエの低俗化の影響を受けて衰退していきました。

当時のバレエダンサーは、地位の低い人が何とか身を立てるためにやるようなものだったため、バレエダンサーは世間的に蔑まれたのです。

主役以外のダンサーは生活が成り立たないような薄給であり、パトロンなしでは生きていけなかったと言われています。

そのような状況下では優秀なバレリーナは育ちません。このようにフランスのバレエ文化は廃れていったのです。

バレエの歴史④ロシアでクラシックバレエが発展

フランス宮廷バレエが伝わったロシアでは、バレエが独自の発展を遂げました。

ドラマが主体となっているロマンティック・バレエに、物語とは無関係に思えるようなダンスシーンを数多く取り入れたのです。

ダンスの技巧がどんどん向上していき、さらに動きやすくするために「ロマンティック・チュチュ」よりも短い「クラシック・チュチュ」が誕生しました。

「クラシック・チュチュ」の誕生により、脚の可動範囲が大きく広がり、表現が多様化し、さらにバレエの技巧が大きく発展したのです。

「ロマンティック・バレエ」よりも、さらにダンスの美しさや技巧が重視され、「クラシック・バレエ」と呼ばれるようになりました。

とくに19世紀後半のロシア・バレエ界の発展に大きく貢献したのは、フランス人の振付師であるマリウス・プティパです。

この時期にチャイコフスキーの三大バレエが誕生し、その振り付けもプティパが担当しています。バレエの歴史の中でもっとも影響力の大きな振付師です。

バレエの歴史⑤モダン・バレエの誕生

クラシック・バレエが人気を博していく中、クラシック・バレエがもつ古典的な雰囲気に対抗する流れも生まれました。

クラシック・バレエに対抗して生まれたのが、「モダン・バレエ」です。

「モダン・バレエ」では、クラシック・バレエにない新しいステップや、民族舞踊などを取り入れた自由なダンスが特徴となっています。

好きな衣装を着て、新しいステップを取り入れたユニークなダンスが特徴です。

歴史を理解して、もっとバレエを楽しもう

 バレエはこれまで歴史の中で様々な変化を経て、発展を続けてきました。

伝統を守るだけでなく、進化も遂げているのが、特徴です。進化を遂げる原動力となっているのは、各時代のバレエに携わる人々の「美」を追求する姿勢だと言えます。

バレエがこれまで「美」をひたすらに追求しながら、バトンタッチを続けてきた歴史を感じることで、バレエをよりいっそう楽しむことができるでしょう。

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